自分のプロフィールがインプットされたロボホン同士で会話する婚活パーティー。今回は人間同士は会話NG!というセッションに参加してみました。
静けさの中、主催者の合図で一斉にテーブル上の1組のロボホン同士がが喋り出し、終わるとロボットを持って無言で席を移動する、なかなかシュールな体験。アプリケーションとしての婚活の実用化は考えていないとのことですが、自分は喋る必要がない分、気楽なので、婚活のハードルを下げる新たなきっかけになるかもしれません。
○面白かったこと
- 自分のストーリーが台本に含まれているロボット演劇を見ているみたい
- 楽しい対話が組み立てられるかは脚本家のスキル次第
- なぜかロボホンに言われる情報は信じてしまう (経歴詐称されても見抜けないかも) ※
- 相手が変わっても、喋る内容(プロフィール)以外の声や見た目、素振りはidenticalなので、あまり印象の差はなく平等な分、ネット上の文字情報を音声読み上げされてるのと変わらず、人間が側に立ち会う必要をあまり感じない
⇒画面の向こうでロボホン同士が遠隔お見合いする未来も?
○良かったこと
- 相槌やお追従、乙な受け答えもすべてロボホン(脚本家)にお任せなので気楽
- 事前に登録したことしか言わないので失敗しない安心感
- 自分はほぼ何もしないので傷ついたり後悔がない
○ちょっと残念だったこと
- 喋っているロボホンに注目してしまい、相手を観察する機会が少ない
- 同じテーブルに人間の相手がいるのに会話できない気まずさ。目も合わせにくい、、
※人間は緊急時にロボットが嘘をついても信じてしまいがち、という研究結果が以前ありましたが「ホントだ!」とちょっと実感しました。何もしていないのに疑われやすい人、にはロボットは最適なアバターかも知れません。
対話エージェントとしてのロボットへの信頼はほぼ、対話のシナリオライティングのスキルに依るところが大きい印象です。AIが上手な脚本家並の高い品質でシナリオ生成出来るのであれば、今後ロボットをメディア(媒体)にAIと対話して日常タスクを完遂する未来も遠くないのかも知れません。
個人的には、相手のロボホンを信じる気持ち(インプットされたことを喋っている信頼できるエージェントとしてのロボット)と、人間としての相手を信じる気持ち(インプットしている相手の人間としての信頼度合い)は、別物であるので、インターネット上の嘘を見抜くスキル同様、数々のエージェントを経由して音声で伝わる嘘を見抜くスキルは、将来必要になるなぁと、ちょっとディストピアな未来も垣間見えた体験でした。